データレビュー

体脂肪率は測定機器に左右されるって本当なのか?!

筋肉がありながら体脂肪の少ない締まった体って憧れがありますよね。
減量もやり方を間違えると、筋肉がごっそりなくなって、貧相な体になってしまうため、体重だけを減らすだけに意識が向くと危ういです。

そうなると、いわゆる体内の中でどのくらい脂肪が蓄えられているか、を示す体脂肪率が気になってくるところです。

体脂肪率は、10%を切るとアスリート体型!だとか10%台を超えるとデブだとかなんとなくの水準感だけは知っているのではないでしょうか。

私自身も、80kg近い体重を70kg以下にする、という目標と共に、体脂肪率20%以下にするという目標を立てて脱メタボに取り組んできました。

ところが、きっちり筋トレで目に見えて筋肉ができつつ、体重も順調に減って、という理想の流れになっているにもかかわらず、体脂肪率はあまり変化せずという状況が続きました。

違和感があったので調べてみると、体脂肪率はどうも体重のように正確に測定できるようなものではないため、「あんまり気にせずに体つきで判断しよう」みたいな声もちらほら。

一体、自分の本当?!の体脂肪率はいかほどなのか?、気になって仕方なかったので、思い切って、これまで使っていたオムロンの体組成計とは別の体組成計(タニタ)を購入し、どうなるのかを試してみました。

結果的には、オムロンとタニタの製品で想像以上に差がありました。
私と同じように体脂肪率について悩んでいる人の参考になれば幸いです。

■そもそも適切な体脂肪率とは?

「体脂肪率」という言葉自体は、どこかで聞いたことがある人は多いと思います。

意味自体は、自分の体重のうち体脂肪の割合を示しているわけです。
どのくらい体脂肪率が許容範囲なのか?がまず気になります。

公益財団法人長寿科学振興財団のサイトによれば、
適正な体脂肪率の目安が示されています。

男性だと10~20%が標準なのか、というのはよくある水準ですが、
そもそも体重はともかく、体内のさまざまなところにある体脂肪は正確に測ることができるんですかね。

これはずっと昔から気になっていました。
先に紹介した公益財団法人長寿科学振興財団のサイトによると、体脂肪率にはいろいろな測り方があって、
●生体インピーダンス法
●キャリパー法
●水中体重測定法
●空気置換法
●二重エネルギーX線吸収法
などがあるようで、サイトでは、
水中体重秤量法や空気置換法は最も体脂肪率を正確に測定することができるといわれていますが、コストが高く、数少ない研究機関にしか測定機器がないため一般的ではありません
と説明されています。

https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/tairyoku-kiki/himando-taishibou.html

 

一番上の生体インピーダンス法は、いわゆる市販されている体組成計で測定するやり方のようです。

この方法は、一言でいうと、体に微弱な電気を流して、よく電気を流す筋肉と流さない脂肪を判別するやり方です。

ヘルスケアテクノロジーもどんどん進化していますから、最近の体組成計はさぞ正確に測れるだろうと期待してしまいますね。

 

■体重は減るのに体脂肪はあまり減らないのはなぜ

先に紹介したように、男性の標準の体脂肪率は10%台。
私が減量を始めた当初は25%超ほどありました。
そこから80kg近かった体重は順調に減り、70kgを切ったところで、疑問が生まれます。

体重減少に比べて、体脂肪率の減少がかなり緩やか、というか、途中からあまり変化がなくなったからです。

体重は減るけど、体脂肪率は減らない
ということから考えられる現象は大きく2つです。
1.脂肪よりも質量がある筋肉が減っている
2.体脂肪が正確に測れていない

1の可能性はなくはないですが、減量のために筋トレを取り入れて、目に見える形で全身に筋肉がついてきていたので、これはないな、と。
そうなると2が濃厚です。

当時使っていた体組成計(オムロン製)に疑いを持ち始めたのはちょうど以下の記事を書いていた9月初旬ですね。

■体組成計によって体脂肪率の出方が全然違う

ずっと使っていたオムロン製と新しく導入したタニタ製の体組成計の両方で体脂肪率を測る日々が続きました。

前置きが長くなりましたが、それぞれの体脂肪率の測定結果は以下です。
驚くほど機器によって結果が変わってしまいました。

まずはグラフをご覧ください。

青い折れ線グラフがオムロン社、赤い折れ線グラフがタニタ社の製品による計測結果(1週間の平均体脂肪率の推移)です。

オムロン製は22%から21%の間でウロウロしているのに対して、タニタ製はすでに9月の時点で20%を切り、その後も改善が目に見える形でわかります。

参考までに毎日の記録とオムロン社とタニタ社の体脂肪率の差の表組も記載しておきます。

オムロン タニタ
体脂肪率 体脂肪率 体脂肪率誤差
2022/09/20 21.2 18.9 2.3
2022/09/21 22.1 18.3 3.8
2022/09/22 21.6 17.6 4
2022/09/23 22.6 18.3 4.3
2022/09/24 22 18.6 3.4
2022/09/25 22.2 17.8 4.4
2022/09/26 22.2 19 3.2
2022/09/27 21.7 18.6 3.1
2022/09/28 22 18.5 3.5
2022/09/29 21.7 18.6 3.1
2022/09/30 20.8 19.4 1.4
2022/10/01 21.5 19.3 2.2
2022/10/02 21.9 17.8 4.1
2022/10/03 21.4 17.6 3.8
2022/10/04 21.4 18.6 2.8
2022/10/05 20.7 16.8 3.9
2022/10/06 21.9 17.4 4.5
2022/10/07 21.4 17.6 3.8
2022/10/08 22.2 16.3 5.9
2022/10/09 22 16.9 5.1
2022/10/10 22.5 16.7 5.8
2022/10/11 22.1 16.8 5.3
2022/10/12 21.8 16.9 4.9
2022/10/13 21.6 16.5 5.1
2022/10/14 21.9 17.2 4.7
2022/10/15 21.5 16.1 5.4
2022/10/16 21.55 17 4.55
2022/10/17 21.45 17.3 4.15
2022/10/18 22.1 17 5.1
2022/10/19 22.4 15.6 6.8
2022/10/20 22 16 6
2022/10/21 22.2 16.4 5.8
2022/10/22 21.8 16.7 5.1
2022/10/23 0
2022/10/24 21.2 16.7 4.5
2022/10/25 22.1 16.3 5.8
2022/10/26 21.45 16.7 4.75
2022/10/27 21.3 16 5.3
2022/10/28 21.8 14.2 7.6
2022/10/29 22.3 17.1 5.2
2022/10/30 21.5 15.2 6.3
2022/10/31 21.6 15.9 5.7
2022/11/01 20.9 16.8 4.1
2022/11/02 21.1 15.3 5.8
2022/11/03 21.05 17.4 3.65
2022/11/04 21.4 16.3 5.1
2022/11/05 21.6 16.5 5.1
2022/11/06 21.8 15.5 6.3
2022/11/07 21.3 16 5.3
2022/11/08 21.5 15.5 6
2022/11/09 21.3 16.3 5
2022/11/10 21.6 15.6 6
2022/11/11 21.5 15.3 6.2
2022/11/12 20.4 14.2 6.2
2022/11/13 21.6 15.3 6.3
2022/11/14 21.6 15.1 6.5
2022/11/15 21.4 14.7 6.7
2022/11/16 21.8 15.7 6.1
2022/11/17 21.8 15.3 6.5
2022/11/18 21.5 16.9 4.6
2022/11/19 21.4 15.3 6.1
2022/11/20 20.6 14.1 6.5
2022/11/21 21.9 15.6 6.3

 

 

 

■まとめ:体脂肪率はあくまで目安

結果だけを見たら、オムロン製では記事執筆時点でも体脂肪率10%台という目標はいまだ達成できていないのに対して、
タニタ製の体組成計では導入初日(9月20日)時点で目標を達成していました(笑)。

これは、オムロン社の製品がタニタ社の製品に比べて劣っているという話ではありません。

なぜなら、後に導入したタニタ社の製品のほうが最新のものなので、フェアな土俵にするならばオムロン社も最新の製品で比較して初めてわかる話だからです。

ただ、確実に言えることは、体脂肪率は測定する機器によって大きく左右されてしまう危うい指標だということです。

大きくぶれてしまうのは、測定する機器だけではありません。
・運動をした後かどうか
・食事をとった後かどうか
などさまざまな条件によって数字が変わってしまいます。

※実際、オムロン社の場合、運動をする前とした後では0.5~2%くらい変化しました

こうなると、体脂肪率で自分の状態をモニタリングすることの意味すら怪しくなります。

せいぜい、朝起きてすぐ、運動も食事もせずに毎日決まったタイミングで測ることでなんとなく目安になる、くらいが関の山ではないでしょうか。

まわりに体脂肪率の数字の出方で一喜一憂している方がいたら、その必要がないという話をしてあげてください。

では。

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